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更新日:2022年1月24日

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平成30年度施政方針

平成30年度施政方針(PDF:549KB)

龍郷町長 竹田 泰典

本日、ここに平成30年第1回龍郷町議会定例会が開催されるにあたり平成30年度の町政運営について、私の所信の一端を申し上げ議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私は、昨年10月に実施されました町長選におきまして、町民の皆様をはじめ、各方面から温かいご支援を賜り、向こう4年間の町政を担うことと成りました。皆様から寄せられた期待の大きさを実感し、身の引き締まる思いと同時に、課せられた使命の重大さを痛感しているところで、全身全霊を込めて職務に当たりたいと、決意を新たにしております。

私は町政運営にあたって、「目配り・気配り・心配り」という基本的な姿勢を大切に、町民と語らい、町民の皆様のお知恵とお力添えを頂きながら、「安心安全なまちづくり、暮らしやすいまちづくり、にぎわいのあるまちづくり、そして、真にたつごうらしいまちづくり」をスローガンに、町民の皆様との協同参画による町民主体のまちづくりをすすめ、また、第5次龍郷町総合振興計画を理念とし、「住んでいる人が幸せを感じながら住み続ける龍郷町」「訪れる人が住みたくなる龍郷町」の実現に向けて粉骨砕身努力して参りたいと考えております。

さて、国政においては、安定した政権のもとで日米との連携を保ちつつも、世界の平和への貢献を求める言動が強く求められています。また、昨年の総選挙で公約した少子高齢化時代に対応した政策について、具体的な一歩が進められる年となり、今後の動向が注目されます。そのような中で、国の経済情勢は、雇用・所得環境が改善し、穏やかな回復基調が続いていますが、個人消費や民間設備投資は依然として力強さを欠いた状態となっており、政府においては引き続きデフレからの脱却を進めることとしていますが、その効果について地方では実感は薄く、地方の経済環境は依然として厳しい状況であります。

本町においては、龍郷町創生総合戦略のもと、2060年の本町の目標人口を「5,468人」と設定し、活力ある龍郷町を将来世代に引き継ぐために、「地域経済の振興」に重点を置く戦略となっております。

そこで、「町内で稼ぐ人・企業を増やす」ことを総合戦略の基本理念とし、本町が有する地域資源活用のほか、商品開発や島内外の市場拡大に対する支援、民間事業者が活躍するための支援や環境整備を実施していくことで「地域経済の振興」の実現を目指してまいります。

しかしながら一方では、本町においても国と同様、社会保障経費や扶助費等の義務的経費の増大や道路・河川などインフラの維持管理や更新経費の増加などに加え、龍南中屋内運動場整備事業などの大型事業が行われることから、今後とも財政状況の見通しは非常に厳しい状況であり、町政運営をするにあたっては、社会経済情勢の流れを的確に見極めながら、町民の皆様が安全で安心して、健やかに暮らせるまちづくりに向けて、バランスとスピード感を持って積極的に取り組む必要があると考えています。

現状と町政に臨む基本方針

さて、昨年3月に奄美群島国立公園が誕生し、10月にはユネスコの諮問機関である国際自然保護連合の現地調査も行われ、先人から受け継がれてきた豊かな自然、自然との共生の中で育んできた暮らしや文化を取り込んだ、世界自然遺産登録が今年の夏にも登録予定と成っております。

本町においては、この素晴らしい自然景観や秋名アラセツ行事等の歴史・文化、長い伝統を誇る大島紬など、龍郷町ならではの貴重な地域資源をさらに磨きをかけ、また、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映も始まっており、本町をはじめ奄美への注目も高まってきております。

この絶好のチャンスを逃さないよう、交流人口の増加を図りながら、観光の振興をはじめとする地域経済の活性化に努めて参りたいと考えております。

また、奄美群島振興開発交付金による、航路航空路運賃の軽減や関東・関西からのLCC便就航等により、奄美への交流人口は年々増えてきております。これらの事業は今年度も継続して実施される予定となっておりますが、生活環境や産業基盤などの奄美の振興を支える奄美群島振興開発特別措置法も平成30年度末には期限を迎えます。

その様なことから、平成30年度は世界自然遺産登録の実現、そして、奄振法の確実な延長と内容の充実など、龍郷町にとっても極めて重要な年と考えております。そのためにも、国・県と連携をしながら奄美自然観察の森整備、龍郷小浜地区の西郷公園整備、とおしめ公園整備、龍南中学校屋内運動場整備を重要課題としてとらえ積極的に進めて参ります。

自然災害については、昨年7月に九州北部豪雨により福岡・大分両県において甚大な被害が発生するなど、近年、全国的に大規模災害はとどまるところを知りません。本町においても、昨年8月に台風5号により床上浸水の被害が発生いたしましたが、過去の奄美における大水害や昨今の国内外の自然災害を見ますと、我々の経験や想像をはるかに超えた大きな災害が常に起こり得ることを想定し、普段からその備えを行う必要性を痛感しております。

本町といたしましては、地域防災計画を基に災害時における情報収集・情報提供の体制整備や自主防災組織の充実、防災訓練の実施など、町民が安全で安心して暮らせるよう、災害に強い町づくりを推進して参ります。

さて、昨年龍郷町生涯学習センターりゅうがく館が開館しました。この施設を生涯学習の拠点として、また、本町の貴重な歴史や伝統文化に触れる場として利用すると共に、今年は、NHK大河ドラマ「西郷どん」の番組展や西郷隆盛と菊次郎をテーマとした特別企画展を開催し、様々な情報を発信する施設としても有効に活用して参りたいと考えていますので、町民の皆様方の利活用をよろしくお願いいたします。

平成30年度の主な事業として、高校生バス通学費助成事業、航路航空路運賃軽減事業、奄美自然観察の森整備事業、西郷公園整備事業、とおしめ公園整備事業、龍南中学校屋内運動場整備事業、久場・浦地区農道舗装工事、県単補助治山事業(円地区)、屋入赤尾木線用地調査、道路改良事業、橋梁補修事業、龍郷川河口導流堤改良、公営住宅ストック総合改善事業、住宅建設事業、野良猫対策事業、子ども医療費無料化の対象を中学生まで拡充すること等を計画しております。

また、町政運営にあたりましては、引き続き第5次龍郷町総合振興計画に基づいて、「歴史と文化をつむぎ 未来へつなぐまちづくり」「人々の心に宿る町 たつごう」の実現に向けて、次に掲げる6つのまちづくりを基本政策として展開して参ります。

  1. 地域資源を生かした産業を創造するまちづくり
  2. 健やかで安心して暮らせる健康・福祉のまちづくり
  3. 快適な生活環境でゆとりあるまちづくり
  4. 豊かな心を育む教育と歴史と文化が薫るまちづくり
  5. 人がふれあい個性が輝く交流・連携のまちづくり
  6. 効率的な行財政運営で共に創るまちづくり

これらの基本政策に沿って、平成30年度の主な施策の概要についてご説明申し上げます。

1.地域資源を生かした産業を創造するまちづくり

はじめに、「地域資源を生かした産業を創造するまちづくり」について申し上げます。

本町は、亜熱帯性の温暖な気候、広大な海域や森林資源に恵まれており、これらの自然環境・資源を活用した、農林水産業の振興を展開して参ります。

農業につきましては、農家の高齢化に伴う担い手の確保、耕作放棄地の解消などが緊急の課題となっておりますが、地域の特性を生かした魅力を感じる産業にしなければなりません。

そのため、集落・地域においての「人・農地プラン」を見直し、農地中間管理機構など関係機関と連携しながら、認定農業者や担い手農家の確保・育成を図って参ります。

基幹作物であるサトウキビにつきましては、一作年は、害虫被害や自然災害も少なく、収穫量が増加傾向にありましたが、昨年は自然災害等により生産量は減収となる状況です。

引き続き、堆肥・薬剤の助成、優良種苗の導入やイノシシ防護柵等を継続して実施し、春植え・夏植えの面積の拡大及び単収増を図りながら農家所得の向上に努めて参ります。

果樹や園芸作物につきましては、農協各生産部会や青年農業者組織等への営農指導、各種講習会を実施するなど活動を活発化し生産性の向上を図ります。

特殊病害虫等に関しては、各機関と連携した侵入警戒調査や、初動対応の強化を継続して実施して参ります。

畜産につきましては、近年、枝肉相場の好調によりセリ価格は高値で推移し、農家の生産意識は高く成っております。

そのような中、引き続き、肉用牛特別導入事業や優良牛保留対策事業を積極的に活用すると共に、粗飼料自給率の向上を図り経営の安定に努めてまいります。

林業につきましては、森林の持つ公益的機能の維持・増進に努め、松くい虫の防除事業を進めるとともに、円林道については、路面保護のための舗装工事を継続して行ってまいります。

水産業については、漁獲量の減少や魚価の低迷、燃油の高騰など漁業者を取巻く環境は極めて厳しい状況にありますが、離島漁業再生支援事業による藻場造成事業など漁業者の主体的・自発的な活動を継続して促進し、離島漁業の振興に努めて参ります。

商工業の振興につきましては、商工会の育成・強化を図り、経営支援や起業人材の育成等を促進するとともに、プレミアム商品券発行助成など、商工業者の自主的な活動を支援して参ります。

また、大島紬の振興につきましては、本場奄美大島紬協同組合など関係機関と連携しながら、後継者の育成や産地再生に向けた取り組みを進めるほか、本場奄美大島紬購入費等助成事業の助成対象者の拡大による販売の促進を図り、大島紬の伝統柄である龍郷柄・秋名バラの発祥の地として、私も含めことあるごとに紬着用を推進し、大島紬の歴史と文化の薫りを感じられるまちづくりに努めて参ります。

特産品の振興につきましては、広域的な連携のもと本土での物産展への参加や友好都市菊池市などとの物産交流を継続して実施し、年間を通しての取引に努めるほか、島育ち産業館においてはクレジット決済を導入するなど利用者の利便性の向上を図り、地産地消の推進や特産品の販路の拡大・情報の発信に努めます。

魅力ある観光の振興につきましては、本町は豊かな自然や伝統文化など多くの優れた観光資源に恵まれており、策定されています龍郷町観光振興計画に基づき、龍郷らしい観光振興策を実施するほか、「一般社団法人あまみ大島観光物産連盟」や他市町村との広域的な連携のもと、奄美ならではの着地型観光振興に努めて参ります。

また、今年の夏に登録予定の奄美・琉球諸島の世界自然遺産登録に向け、国・県をはじめとする関係機関の支援をいただきながら、奄美自然観察の森整備事業・龍郷小浜地区の西郷公園整備事業を実施する他、屋入バス停の整備や役場前バス停のトイレ改修など、観光客の利便性の向上に努めて参ります。

エコツーリズムの推進につきましては、奄美群島エコツーリズム全体構想に基づき、奄美大島エコツーリズム推進協議会を中心に、認定ガイド制度による安心・安全で質の高い、自然環境の保全との両立を目指したエコツーリズムを推進します。

また、平成28年度奄美市と協働で「ふるさと名物応援宣言」を発表し、本場奄美大島紬と奄美黒糖焼酎という地域資源の販路拡大など、国をはじめとする関係機関と連携しながら、地域を挙げて支援する体制を整備いたしました。今後は、本場奄美大島紬を誇るべきJAPANブランドとして、海外に向けて発信するなど、ブランド力の強化に向けて取り組んで参ります。

さらに、大島本島全市町村が連携して実施している奄美満喫ツアー事業などを継続的に進め、本町並びに奄美大島の知名度の向上、観光客の誘致、交流人口の拡大を積極的に推進してまいります。

また、NHK大河ドラマ「西郷どん」への取り組みにつきましては、大河ドラマ放送が本町に最大限の効果をもたらすよう、関係団体と密な連携を取り、「龍郷の西郷隆盛・愛加那・菊次郎・菊草」を全国へ積極的に発信して参ります。

2.健やかで安心して暮らせる健康・福祉のまちづくり

健康づくりを推進するための総合計画として、健康増進法に基づき策定されています「健康たつごう21」を指針として、町民の健康づくりを推進して参ります。

生活習慣の改善によって、健康を増進し疾病を予防する一次予防に重点を置いた保健指導を積極的に進め、特定健診やがん健診など受診率の向上に努めて参ります。

また仕事前、早朝に受診できるスピード健診も引き続き実施致します。健康は生きがいを持って、豊かな人生を過ごすうえで極めて重要であるとの認識のもと、健康づくりに対する町民意識を高め、自らが健康管理に努め、生活習慣病の重症化予防、医療費削減、新規透析患者の減少を目指します。特に糖尿病対策として、今年度から医療機関との連携を図り重症化予防の取り組みを実施します。

母子保健事業につきましては、妊婦や乳幼児の健康保持を図るため、妊婦健康診査、乳幼児健康診査、家庭訪問などの充実に努めて参ります。

また、乳幼児の発育、発達の確認や子育て支援のための親子教室を開設し、育児支援に努めて参ります。

また、疾病予防のために予防接種を推進して参ります。さらに、乳幼児の虫歯予防を図るために、保育所におけるフッ素洗口事業や保育士、保護者への歯科教育を実施いたします。

児童福祉につきましては、子育て支援法のもと、龍郷町子ども・子育て会議のご意見等を伺いながら、本町「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、多子世帯の保育料の軽減の拡充など、子育て家庭の支援や待機児童の解消など、本町の未来を担う若者が定住し、安心して子育てができる環境づくりを進めるために、本年度「龍郷町保育所あり方検討委員会」を設置いたします。

子ども医療費の無料化について、現行では小学校卒業までを無料としておりましたが、今年度より中学校卒業時まで医療費の無料化を拡大し、保護者の負担軽減を図ります。

奄美看護福祉専門学校に通う学生及び大島養護学校へ通う児童生徒に対し、若者の定住促進、子育て支援の一環として、通学費の助成を今年度も実施いたします。

障がい福祉につきましては、障がい介護給付や訓練給付サービスなど現在提供しているサービス基盤の強化に努め、自立支援や地域生活支援を引き続き行います。

また、相談支援事業、日常生活用具給付事業など、障がいのある方への福祉サービスの利用促進に努め、安心した日常生活ができるように支援して参ります。

高齢者福祉につきましては、町内間のバス無料化、保健福祉センター入浴無料化、在宅介護人手当支給、配食サービスなど引き続き実施します。

また、高齢者の自主的な活動を促進し、地域づくりの大切な担い手として活動していただけるように老人クラブへの助成やシルバー人材センターの充実を図り、住み慣れた地域で元気で生きがいを持って暮らせるまちづくりに努めて参ります。さらに要援護者を地域で支え、安心して暮らすことができるよう見守り・支え合いの組織づくりを推進し、安心安全な町づくりを進めて参ります。

介護保険事業につきましては、介護保険制度の持続可能性を維持しながら、高齢者が住み慣れた地域で自立した日常生活を営むために、医療、介護、福祉、生活支援等が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築が今後ますます重要となっています。

本町においては現在、第7期介護保険事業計画に基づき、「住み慣れた場所で健やかで安心して自分らしく豊かに暮らせる町」を目標とした体制づくりを推進しております。高齢者を地域で支え合い、自助、互助を守り育てる仕組みや、医療と介護の連携を強化し、認知症高齢者の支援や社会参加の促進、介護予防の充実など、今後も安心安全な町づくりを進めて参ります。

また、介護を要する住民へ対し、ケアマネジメントによる健全なサービスの提供を行い、住民一人一人が幸せな暮らしができるよう、介護保険事業の適正な運営に努めます。

国民健康保険事業につきましては、医療費が増加傾向となっていることから、重症化予防の訪問指導を強化すると共に、特定健診の受診率向上に努めて参ります。

また、今年度から県が財政運営の主体となり、医療費を推計し、市町村ごとに必要な納付金を納めることとなります。町においては、引き続き資格の取得や保険税の賦課徴収等の身近な窓口となります。

今後とも、健康づくり意識の高揚を図るなどの活動や医療費適正化事業を実施して、医療費の抑制に努めて参ります。

3.快適な生活環境でゆとりあるまちづくり

まず、水道事業においては昨年度までに、荒波地区、龍南地区の配水管給水管布設整備事業もほぼ終了しました。今年度においては、赤尾木配水池新設築造整備事業を行い安定した水の供給に努めてまいります。

また、今年度から公営企業会計へ移行し独立採算に向けて取り組んでまいります。

次に、ごみの搬出量は、近年横ばい傾向にありますが、ごみが多様化しリサイクルが可能な資源ごみの「循環型社会」構造へ転換していくため、地域住民と協力し、徹底したごみの分別と資源ごみの有効活用を図るとともに、ごみの減量化に努めて参ります。

また、不法投棄防止のためのパトロールや、海岸漂着物地域対策推進事業を継続実施し、自然環境の保全に努めてまいります。

更に、地球温暖化の緩和に対する低酸素社会と叫ばれている中、温室効果ガスの排出量の消費節減に努め、地球温暖化防止活動実施計画に基づき、公共施設における温室効果ガスの排出量の削減に努めて参ります。

生活排水については、河川及び海域へ生活汚濁水の流入により水質汚濁が懸念されています。家庭からの生活排水を処理する施設として合併処理浄化槽が整備されていますが、汚水処理人口は、平成29年度末で普及率が69.6%で、国・県の平均を下回っておりますので、今後とも合併浄化槽の普及にむけて、生活排水処理事業を継続的に進め生活環境・公共用水の水質保全を図って参ります。

自然環境の保全活用については、奄振交付金事業を活用し、奄美大島に生息するアマミノクロウサギをはじめ、多くの希少野生動物を保護することを目的として、本島内5市町村と連携して、野良猫対策などを実施します。

本町は、国道58号線沿いにおいて事業所の進出や、個人並びに民間活力による住宅の建設が進められています。この現象は、これからも続くものと考えられることから、安心で快適かつ利便性のある環境づくりをめざした計画的な土地利用と、自然環境と調和の取れた生活環境基盤整備のインフラ整備を充実し、住みよい町づくりを推進いたします。

町道につきましては,社会資本整備総合交付金事業により,「奄美・琉球」の世界自然遺産登録に伴って交通量増加が予想され,観光地へのアクセス道路整備に伴う,屋入赤尾木線改良事業用地調査及び護岸・橋梁詳細設計や国道58号補完道路としての浦赤尾木線の継続,今年度新規事業として第2赤尾木加世間線一部未改良区間の測量設計委託,町道に架かる老朽化した橋梁等や道路の路面補修整備を積極的に推進し町内の道路・交通体系網の充実を進めて参ります。

住宅整備につきましては,公営住宅ストック総合改善事業(秋名団地,1棟4戸)の改修工事,老朽化した円団地の住宅建替1棟1戸の整備を推進し,居住環境の向上を図ります。

また,平成22・23年の豪雨で甚大な被害が発生した,戸口地区の大美川・戸口川床上浸水対策緊急特別事業が関係者各位のご協力によりまして,昨年度で完了しましたが,引き続き,県管理河川の総合流域防災事業,加世間沢・川内川砂防事業,浦地区地すべり対策事業,中勝急傾斜地崩壊対策事業,県管理道路補修など,大島支庁関係機関と連携を図りながら早期完成に向けて取り組んで参ります。併せて浦地区砂防事業,国道58号線(役場前から浜千鳥館前)の拡幅改良事業への早期着手に向けて取り組んで参ります。

地籍調査事業につきましては、公共事業等の計画の円滑化や将来における境界紛争の予防を図れることから、関係機関に引き続き事業費拡大の要請を行い、早期完了に向けて努めて参ります。

消防防災対策につきましては、近年の異常気象により、いつ発生するか予測の出来ない大規模災害に備え「自助・共助・公助」の考えのもと、龍郷町地域防災計画を基本とし、自主防災組織と地区の消防団を中心として防災訓練など、町民と行政が一体となった対策を進め、災害に強い町づくりに取り組むほか、災害時における情報伝達体制を強化するため、防災行政無線の整備・充実を計画的に進めて参ります。

次に、消防体制の充実・強化につきましては、消防分署及び消防団の消防車両及び資機材等の充実を図り、防災力の強化に取り組んで参ります。このため、本年度は消防分署の指令車,消防団の小型ポンプ積載車2台の配備を予定しております。また,消防水利の充実を図るため防火水槽の設計委託を予定しています。

少子高齢化によって年々件数が増加している救急出動については、業務内容の高度化に伴い、引き続き高度な知識及び技術を持つ救急救命士の養成を行い、救命率の向上に努めて参ります。

また,奄美ドクターヘリ運用に伴い,緊急な救急事案に対処できるよう,救急隊と消防団エフアール隊活動の訓練及び連携の充実を図り、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めて参ります。

交通安全対策については、本年度も引き続きカーブミラー等交通安全施設の整備を図り、交通ルールとマナーの実践を習慣づけるため、交通安全教室等の啓発活動に努めるほか、春と秋の全国交通安全運動期間のパレードを通して交通安全意識の高揚に努めて参ります。

防犯対策については、地域安全週間等における啓発活動を推進するとともに、関係団体と連携し防犯意識の高揚を図り、犯罪のない安全・安心なまちづくりを推進します。

4.豊かな心を育む教育と歴史と文化が薫るまちづくり

近年,国際化・情報化・グローバル化・少子高齢化の進行,生産人口の減少,さらには,経済環境の変化,価値観の多様化など,かつてないほどの急激な変貌がみられます。

教育界においてもこれらのめまぐるしい時代に対応した教育のあり方が求められており,そのような状況の下,教育基本法の改正,学校教育法施行規則の一部改正,地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正など制度改革は著しく,特に平成30年度からの道徳の教科化,小学校における英語教育の義務化等,今後も教育界の動向を踏まえながら本町の教育課題に向き合い,主体的・創造的に生き抜いていく力を育てていくことが強く求められています。

まず,学校教育においては,「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」「個性の伸長」を図り「たくましく生きる力」を備えた児童生徒の育成に取り組んでいくことが大切であります。本町の課題であります「自尊感情」や「自己肯定感」を身に付けた児童生徒を育てるための「クローバープラン」の実施やICT機器等の効果的な活用による複式授業の充実と学力向上に努めます。

さらに,家庭との連携で「家庭学習60・90運動」の一層の充実を図るとともに,児童生徒の健やかな成長を願い国民運動の「早寝・早起き・朝ご飯」を推進し,基本的な生活習慣の確立に努めます。

昨今,全国的に子どもが犠牲になる事件や自らの命を絶つというような痛ましい事件・事故が多発していることは誠に残念なことであり,安心・安全な社会環境・学校環境づくりが急務となっています。多感で心身共に著しく成長する思春期は不安や悩みが生じやすく,このような課題に対応できるよう「スクールソーシャルワーカー」を継続して配置するとともに,子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援をするための「特別支援教育支援員」を配置し,生徒指導や特別支援教育の充実及び「生命尊重教育」の推進に取り組み,安心・安全な学校の構築に努めます。

また,いじめ防止対策法に規定する重大事態が発生した場合には,「龍郷町いじめ問題調査委員会」を設置し,その事態に対処いたします。

本年度も,鹿児島県教育委員会が進めている「地域が育むかごしまの教育県民週間」と連動して「龍郷町教育旬間」を位置づけ,「龍郷町の子どもは,龍郷町民の手で育てていく」という「ふるさと教育」の理念のもと,学校教育や社会教育を進めていきます。「立志・好学・親和・礼節」の教育指針実現を目指し,子どもたちの持っている能力を引き出し,「生きる力」を育てるため教職員をはじめ全ての教育関係者,保護者,地域の方々と力を合わせて取り組みます。

学校施設整備については,平成30年度から31年度にかけて学校施設長寿命化計画を策定して,学校施設の維持管理を計画的に実施いたします。本年度は龍南中学校屋内運動場及び武道館を解体し,本格的に屋内運動場の建設に取り組みます。老朽化した秋名小学校教員住宅1号棟の解体工事により周辺環境の整備に努めます。

また,各学校のパソコンリースの更新に合わせて,教職員の業務負担の軽減を図るため「校務支援システム」を導入いたします。

今日,子どもたちの読書離れが進みつつあります。ふるさと納税基金を活用して図書を購入し,学校図書館やりゅうがく館図書室の充実や移動図書による巡回貸出しにより,児童生徒から町民まで良書に触れる機会を多くします。さらに,「学校図書館事務補助員」を継続して配置して,学校図書館の環境整備や読書指導の充実を図っていきます。

学校給食については,徹底した衛生管理の下,安全性の高い食材の選択に配慮し,地場産物を活かした調和のとれた給食づくりに努めます。さらに,季節料理・郷土料理などを取り入れた献立の工夫と各関係機関協力による地産地消体制の整備で,安全で高品質な学校給食づくりと食育の推進に努めます。食物アレルギーに対応するため,学校生活管理指導表作成のための経費の継続的な補助の実施と新しく配送車を購入し,より安心・安全な学校給食の充実に努めます。

次に,社会教育については,町民が生きがいを持ち充実した生活を送ることができるよう,幼児期から高齢期のそれぞれのライフステージに応じた学習機会の提供に努めます。地域と学校を結ぶ学校応援団活動の推進による教育的風土の再構築や子ども博物学士講座の充実を図ります。

環境教育においては,昨年の国立公園の指定,さらには世界自然遺産登録に向けて,学校における環境教育から地域における環境学習への拡充に努めます。子ども会活動や校外生活指導連絡協議会の活性化等により青少年の健全育成を図っていきます。

また,中学生の学習習慣の確立と基礎学力の定着及び学力向上のための学習塾「龍進未来塾」を第2土曜授業以外の土曜日に継続して実施いたします。

生涯学習センター「りゅうがく館」を生涯学習の拠点施設として,各年代層のニーズに応じた生涯学習講座や「短歌・俳句・川柳コンクール」の実施や図書室,文化財展示室等の充実により町民が生涯にわたって学び続けることができるよう,ふるさと龍郷の自然・文化・歴史・地域の特性を生かした多様な学習機会の提供に努めます。

文化の振興については,児童生徒が芸術文化に触れる機会を拡充やこれまで受け継がれてきた伝統文化の若い世代への継承・普及に努めます。今後も町制施行40周年を記念して実施している「たつごうエッセイコンテスト」を継続して実施します。

文化財の保護・活用について,町内には美しい自然や豊かな歴史・文化に関する多くの文化財が点在しています。これらの文化財は,豊かな自然の中で育まれ,悠久の歴史や文化が生み出した貴重な文化遺産であり,これらの文化財を大切に保護し,郷土教育・環境教育の教材として活用していきます。

また,「りゅうがく館」の文化財展示室の文化財資料を活用して龍郷町の特性を発信し,観光資源として交流人口の拡大に努めます。

さらに,NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映に併せて,特別企画展「西郷隆盛と菊次郎展」を開催して,西郷隆盛並びに本町で誕生した菊次郎の功績を称えます。

スポーツ・レクリエーションの振興は,町民が長寿社会を心身ともに健康で,健康寿命を維持するため極めて重要な役割を果たすものであります。今後とも,関係団体と一体となって競技団体の育成・強化と競技力の向上や底辺の拡大を図るとともに,「マイライフ・マイスポーツ」運動を推進して,町民の親睦と健康増進に努めます。

今年度は,昭和56年に整備した中央グラウンド照明施設が老朽化し危険な状態なため,照明施設をLED電球に取替えてスポーツ活動に適切な照度を確保するとともに省エネ対策にも取り組みます。

学校保健の推進については,学校の教育環境の適正な維持管理に努めるとともに,児童生徒が安心して登下校できるよう継続して「スクールガードリーダー」の配置や今年度より児童生徒及び教職員の健康管理を推進するため,眼科検診やストレスチェックを実施いたします。

以上,学校教育,社会教育,社会体育,文化の振興,文化財の保護活用,スポーツ・レクリエーションの振興・学校保健の推進にあたって,学校と家庭と地域社会がそれぞれの責任と役割を果たしながら,一層の協力と連携を図り教育行政の推進に取り組んで参ります。

5.人がふれあい個性が輝く交流・連携のまちづくり

町民が暮らしやすい集落環境づくりや、町民が主体となった取り組みなどを協働で推進するために、区長会での意見や要望事項の提言を基に、各集落における課題を適格に把握し、計画的に集落要望の課題解決や支援を行って参ります。

また、奄美群島成長戦略推進交付金事業(チャレンジ枠)を活用し、国立公園地域に指定された秋名・幾里集落にある個性豊かな歴史や自然など、伝統文化を有効に活用する為、秋名・幾里集落に構える空き家・居住宅を対象にした民泊事業の立ち上げ、さらには民泊事業の運営支援を担う民泊窓口作りなど、地域が主体となり、環境文化型国立公園の特徴である「自然と暮らしが調和した暮らしぶり」を伝える体験・交流型観光事業の立ち上げ支援を平成30年度から進めて参ります。

さらに、今年は明治維新150周年の節目の年でもあります。本町で暮らした西郷隆盛と息子の菊次郎に関する記念イベントの開催を予定しており、イベントに向けて熊本県菊池市や京都市のほか台湾の宜蘭市などとの交流を検討しており、来月には台北駐福岡総領事館が本町を訪問する予定となっております。

地域情報通信については、町内全域で光ファイバーケーブルを接続し、住民がインターネットやデジタル放送等、各種サービスを受けられる情報通信網の整備は整っておりますが、FM難聴地区の解消図るため平成30年度にコミュニティFM難聴地区解消業務を実施し、災害時における迅速かつ的確な情報と、通常時におけるきめ細かい行政情報発信に努めて参ります。

人権教育については、学校教育や社会教育を通じて、性別や国籍等による差別、虐待等の撤廃に向けた意識啓発を図るために、町内小中学校や関係団体と連携を図りながら人権教育の啓発促進に努めて参ります。

また、男女共同参画社会については、男女共同参画基本計画に基づき、男女が社会の対等な構成員として、自らの意志によって社会のあらゆる分野における活動に参画し、共に責任を担うべき社会の実現に向けて取り組んで参ります。

6.効率的な行財政運営で共に創るまちづくり

公共施設の適正管理につきましては、昭和50年代から平成10年代前半にかけて建設してきた、多くの公共施設がいずれ耐用年数を迎えることから、平成28年度に策定しました龍郷町公共施設等総合管理計画に基づき、施設の更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行い、財政負担の軽減・平準化及び施設の最適な配置を図るとともに、将来の役場庁舎整備に必要な経費の財源に充てるために、新たに「龍郷町庁舎整備基金」の創設をいたします。

行政改革につきましては、昨年度に策定した「第4次龍郷町行政改革大綱」に基づく「行政改革実施計画」に沿って、従来の簡素で効率的な行財政運営の実践に加え、町民や地域の力を町政に生かしていくためのまちづくりを行政が後押しする仕組みの実践など、「持続可能で自立した地域社会を創るための新たなまちづくり」の考え方に基づいた行政改革を積極的に推進し、町民に期待されている質の高い事業・行政サービスを持続的に展開して参ります。

職員の資質の向上については、町民から信頼され、町民の立場になって行動する職員の育成を図るため、各職員の能力を高める各種研修や職員のやる気を高める職場環境の充実に努めます。

また、人事評価制度を継続して実施し、職員個々の能力や業務への適格性把握による適材適所への配置や、目標管理型の評価制度による職員の士気の高揚を図り、行政サービスの質の向上につなげて参りたいと考えております。

本町の財政状況について、可能な限り多くの町民の皆さんにご理解いただくための「わかりやすい財政状況資料」の作成や、財政の見える化に向けて貸借対照表等国の統一的な基準による地方公会計の整備に努めます。

町税については、公平な税・保険料負担による安定した安心できる町づくりの実現に向け、滞納している各種税・保険料の徴収の強化と必要に応じた差押え等の滞納処分を実施します。また、県や近隣市町村と連携した相互併任協定による徴収強化を図り、安定的な自主財源の確保に努めるとともに、インターネットを活用した「ふるさと納税」の促進を図りながら自主財源の確保に努めます。

結び

以上、平成30年度の町政運営に対する所信と施策の概要について申し述べました。

国においては、全国的に急速な少子高齢化が進む中、社会を支える現役世代の割合が減少し、今後増大が予想される社会保障制度の財源確保等が大きな課題となっているところです。

本町におきましても、地方交付税の算定基礎となる国勢調査人口の減や町の自主財源である町税収入の伸び悩みなど厳しい財政状況のなか、今後予想される社会福祉など行政ニーズへの対応や公共施設の長寿命化対策など引き続き厳しい行財政運営が続く見通しとなっています。

このような厳しい状況を乗り越えていくためには、行政のみならず議会をはじめ町民の皆様のご理解とご協力が不可欠であり、皆様方のお知恵もいただきながら町の発展に努力して参りたいと考えております。

今後とも、健全で持続可能な行財政運営を堅持するとともに、町民の皆様が、龍郷町に住んで良かったと実感できるような町、若者世代の子育てを支援しながら、若者から高齢者のすべての町民が、笑顔があふれ幸せ満足度の高いまちづくりに向け、予算編成をしたところであります。

その結果、平成30年度の一般会計当初予算の総額は58億45万5千円となり対前年度比15.5%の増額予算となっております。

特別会計及び企業会計の平成30年度当初予算額は、6会計で23億2183万5千円となり、対前年度比3.4パーセントの減額予算となっています。

具体的な内容につきましては、予算審議を通してご説明申し上げることとしておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

以上、平成30年度の町政運営に関する基本的な考え方と平成30年度予算の概要を申し上げました。

今後とも、第5次龍郷町総合振興計画の基本理念である「歴史と文化をつむぎ 未来へつなぐまちづくり」を目指す施策を推進し、私たちのまち「たつごう」を魅力あるまちに創り上げて参りたいと思いますので、議員の皆様をはじめ町民の皆様には、引き続き特段のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、平成30年度の施政方針とさせて頂きます。

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お問い合わせ

龍郷町役場 総務課

894-0192 鹿児島県大島郡龍郷町浦110番地

電話:0997-69-4511

ファックス:0997-62-2535

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